カナダの小中学校に通うとチャリティーやボランティアをすることが“Cool”なんだぜ!と自然に感じるようになる!そしてそれこそがこれからの日本人には必要だと密かに思う。

君たちは世界を変えられる

子供の課外活動を見ていて特に印象的だったのが、「Me to We」というボランティア・クラブ活動です。

子どもたちは「Me to We」の活動を通して貧困問題や社会貢献などについて学び、目的を決めてボランティアやドネーション(寄付)活動を行います。目標を達成すると一年に一度開催される「WE Day」と呼ばれる盛大なイベントに参加することができます。

この「WE Day」とは、ミュージシャンや著名人の歌やスピーチなどを通して、子どもの権利、発展途上国の問題、世界飢餓や環境問題、貧富の差や人間の平等などの社会問題を取り上げ、一人一人の行動や想いで世界を変えることができる、と認識し合うイベントです。

トロントでも毎年エアカナダセンターに二万人もの小中高校生がオンタリオ州各市から無料招待され、ハリウッドスターやミュージシャン、著名人や社会活動家などがパフォーマンスを行います。

トロントではエアカナダセンターを貸し切ります。今年は一番乗りで会場に入りました。

過去にはジャスティン・ビーバーやショーン・メンデスをはじめとする若者に絶大な支持を集めるミュージシャンがパフォーマンスを披露したほか、セリーヌゴメスが自身の鬱病の体験を語ったり、ジャスティン・トルドー カナダ首相のお母さんが双極性障害の体験を生の声で子どもたちに語りかけたこともあります。

他にも、シリアからカナダに移民した女性が爆撃に怯えて暮らした体験や、カナダで家族が安心して暮らせる喜びを語るなど、普段の生活の中ではなかなかできない貴重な時間を過ごすことができます。

ちなみに今年のトロントの会場では、先日結婚式も話題となったイギリスのヘンリー王子がサプライズで子どもたちの前に登場し、スピーチをしました。

カナダの小中高生に絶大な支持を集める「WE Day」は、12歳の少年の発案!

「WE Day」はカナダで当時12歳(1995年)のクレイグ・キールバーガー少年によって設立された国際協力団体「フリー・ザ・チルドレン(Free The Children)」が主催し、子どもたちに「世界を少しでも良い場所にするためにできることを始めよう」と呼び掛ける目的で、2007年にトロントで始められたイベントです。

新しくなったフリー・ザ・チルドレンのオフィスを見学

きっかけはクレイグ少年が当時手にした新聞に、貧しい国の家に育った同い年の少年のストーリーです。生活が苦しく、両親から引き離されてじゅうたん工場に売られ、工場では週6日、一日12時間の労働を強いられていた少年は、NGOの助けで工場から脱出し、児童労働反対を訴える活動家としてパキスタンや欧米諸国を回っていたのですが、何者かに射殺されてしまうという記事でした。

クレイグ少年は、この記事を読み、同い年の子の死や、自分とはあまりに大きな生活環境の違いを知って強いショックを受け、同じ子どもの問題なら自分たち子どもで取り組もうと「フリー・ザ・チルドレン」を設立しました。

こうして12歳の社会活動家が生まれたのです。ちなみに、ノーベル賞にも過去3回もノミネートされており、日本でもテレビ番組「世界一受けたい授業」で紹介されたそうです。

日本の義務教育課程で、もっとボランティアやチャリティー活動に取り組むことも、グローバルな時代を生き抜く子ども達にとって必要なチカラ

今回紹介した「WE Day」はあくまでも一例で、他にもカナダの義足マラソンランナー“テリー・フォックス”の名にちなんで、ガン研究の資金を募るチャリティーイベント「Terry Fox Run」も世界中で開催されるほど有名ですし、様々なチャリティー・ボランティア関連の催しに、カナダで生活していると幼い頃から当たり前のように参加することになります。

もちろん、日本でもこのようなイベントはたくさん行われていると思うので、小中学校の授業やクラブの一貫として取り組み、チャリティーやボランティアをすることの意義や大切さが自然と身についた大人になっていくことが、語学にプラスして、これからのグローバルの社会では必要とされていることだと感じてもらえれば嬉しいです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

Osamu Shiohara

大学卒業後、東京で人材・広告系の企業に3年間勤め、2003年から2010年までオーストラリア・シドニーに在住し、出版社でビジネスマネージャーを務めた後、オーストラリアで多岐に渡るフードビジネスを展開する企業の経営管理・新規事業責任者として転職。