子供がゲームばかりはダメ? 人生100年時代を見据えた人材を輩出するSTEAM教育国家カナダ

日本では2020年に小学校でプログラミング教育が必修化

AI・IoT時代という科学技術の進歩によるテクノロジー社会の到来とともに、日本では2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されます。子どもたちが人生100年時代をふさわしいイキヌキリョクを身につけるためには、今からどのような学びを得て、社会やビジネスで必要とされる人材になっていくべきでしょうか。

STEMからSTEAMへ

教育キーワードで近年よく耳にする『STEM(ステム)』。これは、「Science(科学)」、「Technology(技術)」、「Engineering(工学)」、「Mathematics(数学)」の頭文字から付けられています。その言葉通り、コンピューター・サイエンス分野で、科学技術の能力に秀でた人材を育成する目的にアメリカで生まれたキーワードです。最近ではこれらの理数系科目に「Art(芸術)」という芸術領域を付け加えて、『STEAM』という考え方も広がってきています。

本屋さんでもSTEMコーナーが登場

コンピューター・サイエンス分野の人材を、国を挙げて育成しようとしている国、それがカナダ

アマゾン第2本社の候補地にアメリカの都市以外で唯一、カナダ・トロントが残りました。カナダのジャスティン・トルドー首相はシリコンバレーにトップセールスに出向き、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏にカナダは未来に向けて、女子学生にもっとコンピューターサイエンスの世界に興味を持ってもらい、テクノロジー社会で活躍できる人材を育成するための「Girls in STEM」の重要性を語ったそうです。「Girls in STEM」についてもまた近いうちに書きたいと思います。

現在でもカナダ・トロントはAI・IoT分野では世界の最先端を走っているとされ、アマゾンはもちろん、グーグルやセールスフォースなどシリコンバレーの名だたるIT企業の研究所やコンピューターデザイン事務所がトロントをはじめ、カナダ各都市にオフィスを構えています。

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その背景にはカナダの労働力の充実が挙げられており、コンピューター・サイエンス分野に秀でた人材が豊富にいるからだといわれています。例えば、オンタリオ州のウォータールー大学は北米でもトップに入るテクノロジー教育が進んだ大学として知られていますし、トロント大学はAIの国内リサーチセンターがあり、ジェフリー・ヒントン氏というAI界の重鎮と言われるコンピューター・サイエンティストが教授として在籍しています。

オンタリオ州では、大学のAIプログラムにかける資金を大幅に増やし、この5年間に毎年千人のAI修士号生を輩出することや、STEM分野の卒業生を毎年25%ずつ増やしていく計画も発表しています。

AIに使われる人材ではなく、AIを使いこなせる人材へ

将来的に日本の労働人口の49%をAIが担う時代になるそうです。アメリカも同様で、オバマ元アメリカ大統領も子どもたちに向けて「アプリやゲームで遊んだりするだけでなく、それらを作れるようになろう」と演説したそうです。

またゲームばっかりやって〜と怒らずに・・・好きこそものの上手なれ

このご時世多くの子どもたちが様々なデバイスを持つようになり、ゲームで遊んだり、簡単にアプリを使いこなすようになりました。「うちの子はゲームばっかりやっていて・・・・・」という言葉をよく聞きますが、もしかするとこれからの時代を担う人材になれる良い機会かもしれません。カナダの小学校ではSTEAMを意識した教育プロジェクトが授業の一環で行なわれたり、公立高校でもSTEMやコンピューター・サイエンスに特化した選抜クラスを設ける学校も増えています。

子ども達の教育現場に必要とされてきている「STEAM教育」。世の中の先を見通し、先端の学問に既に力を入れているカナダの教育にぜひ注目してみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

Osamu Shiohara

大学卒業後、東京で人材・広告系の企業に3年間勤め、2003年から2010年までオーストラリア・シドニーに在住し、出版社でビジネスマネージャーを務めた後、オーストラリアで多岐に渡るフードビジネスを展開する企業の経営管理・新規事業責任者として転職。