理想的? 自由すぎるカナダの先生たち

カナダで学校の先生になるためには、4年生大学で学位を取得したのち、教育学部に入学、卒業後に教育委員会に登録して非正規雇用から正規雇用の教師になるなど、非常に厳しい道のりがあるようですが、待遇も良く(基本的には子供達の下校が完了する16:00くらいで業務終了。先生の分業が進んでいるため、自分の担当以外の業務は一切やらず、残業も無し。子供達が夏休み中は、クラブ活動の為に先生が働くこともなく丸々2ヶ月の休暇!)、社会的にも信頼が厚い仕事であると感じます。そんなカナダで出会ったユニークな先生をご紹介します!

カナダの先生は、なぜユニークな授業ができる?

日本では全国のどの地域で教育を受けても、一定の教育を受けられるように学習指導要綱によって教育内容が定められ、政府が決めた教科書と方法を使った子供達を指導していますが、カナダでは州ごとに指導要綱が用意され、先生が独自で教材を用意し、授業内容についても、各先生の判断で決められます。そのため、「タマゴが割れない機械をつくって、コマーシャル!」のように、生徒たちの関心や学びを強化できると判断すれば、先生が自由に授業内容を決められます。また、先生たちに副業も認められているようで、15歳の長男のクラスでは、自称不動産王の先生が授業を担当し、その先生が「君たちが学校で学んだことが、そのまま社会の役に立つと思ったら大間違いだ!」と、社会の現実と、いかにお金と向き合っていくことが大切なのか、と切々と訴える授業を行ったりしています。先生の裁量度が高い、ということは、当然、良くない先生が担任になると1年間、ツライ思いをする、ということでもあり、次男の経験では、先生が自分の得意分野以外の授業になると、TEDの動画を見せてディスカッションばかり、なんてこともあるようです。(これはこれで学びが十分にあるとは思いますが)

先生が髪の毛をピンクに染めた!!

ある日、5歳の三男を学校に迎えに行くと、夏休み明けの不良高校生よろしく、担任の女性教師の髪が、それはそれは鮮やかなピンク色に。パンク音楽のファンをカミングアウトか、と思いきや、ご本人に確認すると「乳がんの啓発のためよ!」と満面の笑顔(日本で言う乳がん「ピンクリボン運動」)。「あぁ、だからピンク色ね」と納得しつつも、日本では考えにくい出来事に、驚きを隠せません。

生徒達、そして親たちも、「ピンク色の髪」に何の疑問も持たず、「あら、ステキねー」と褒めています。「地毛証明書」が論争になる国では、起こりそうに無い展開ですよね。

楽しそうな大人が、人生を意欲的に楽しむ子供を育てる

この件を通して、私が素晴らしいなあ、と思うのは、先生が自信溢れる笑顔を振りまき、とても楽しそうなことです。自分の人生を楽しんでいる大人を身近に見ると、子供たちは大人になることに憧れを持つでしょうし、自分が良いと思うことは、自信を持って実現させて良いのだ、というメンタリティを持つことができると思います。人生100年時代のイキヌキリョクには、自分がやりたいことを見つけ、心から楽しむことが重要。他人に対して寛容であり、多様性を受け入れ、自分自身も最高の人生を歩む。自由であることを重視し、他人が自由であることも尊重するカナダ社会は、われわれ日本人の参考になることがとても多いと感じます。

ABOUTこの記事をかいた人

Kubo Keiichi

慶応義塾大学卒業後、電通に入社。2012年に電通のカナダ支社に駐在員として赴任。帰任命令が出たものの、カナダの教育や生活環境に惚れ込んだ為、電通を退社して、移住を決断。現在は電通のカナダ支社にInternational Development担当のVice Presidentとして勤務。